優良な実習実施者への拡充措置

「優良な実習実施者」の認定を受けると、受け入れ枠の拡大や実習期間の延長などメリットがあります。これらの拡充措置の詳細と、認定を受けるために必要な要件を、わかりやすく説明いたします。

2017年11月より新しい外国人技能実習制度が施行され、新たに国の機関として「外国人技能実習機構」が創設されました。優良な実習実施者には以下の拡充措置が適用されます。

優良実習実施者になるメリット

  1. 受入人数枠が拡大できる

    優良実習実施者は技能実習生の受け入れ可能な人数枠が2倍になります。

    介護職種以外の場合

    第1号(1年間) 第2号(2年間) 優良基準適合者
    第1号(1年間) 第2号(2年間) 第3号(2年間)
    基本人数枠 基本人数枠の
    2倍
    基本人数枠の
    2倍
    基本人数枠の
    4倍
    基本人数枠の
    6倍
    実習実施者の
    常勤職員総数
    技能実習生の人数
    301人以上 常勤職員総数の20分の1
    201人〜300人 15人
    101人〜200人 10人
    51人〜100人 6人
    41人〜50人 5人
    31人〜40人 4人
    30人以下 3人

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    介護職種の場合

    受け入れることができる技能実習生は、事業所単位で、介護等を主たる業務として行う常勤職員(常勤介護職員)の総数に応じて設定(常勤介護職員の総数が上限)した数を超えることができません。

    事業所の
    常勤介護職員の総数
    一般の実習実施者 優良な実習実施者
    1号 全体
    (1・2号)
    1号 全体
    (1・2・3号)
    1人 1人 1人 1人 1人
    2人 1人 2人 2人 2人
    3~10人 1人 3人 2人 3~10人
    11~20人 2人 6人 4人 11~20人
    21~30人 3人 9人 6人 21~30人
    31~40人 4人 12人 8人 31~40人
    41~50人 5人 15人 10人 41~50人
    51~71人 6人 18人 12人 51~71人
    72~100人 6人 18人 12人 72人
    101~119人 10人 30人 20人 101~119人
    120~200人 10人 30人 20人 120人
    201~300人 15人 45人 30人 180人
    301人以上 常勤介護職員の
    20分の1
    常勤介護職員の
    20分の3
    常勤介護職員の
    10分の1
    常勤介護職員の
    5分の3

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    • 常勤職員に技能実習生数は含まれません。
    • 常勤職員とは、社会保険加入している職員を指します。
    • 各技能実習生が下記の人数を超えてはいけません。

      1号:常勤職員数、2号:常勤職員数の2倍、3号:常勤職員数の3倍

  2. 実習期間が延長できる

    技能実習生の受け入れは基本的に3年間ですが、優良実習実施者になると最長で5年間の受け入れが可能になります。技能実習2号の技能実習生は技能実習3号に移行し実習を続けることができます。

    また、技能実習を3年以上経験していれば、特定の職種では特定技能として移行が可能です。

    技能実習3号への移行条件
    • 監理団体が一般監理団体(優良な監理団体)
    • 実習実施者(受け入れ企業)が優良実習実施者であること
    • 技能実習生が「随時3級」技能検定(実技試験)に合格している
    • 優良監理団体の指導のもと、最大2年間の「第3号技能実習計画」を作成し認定を受ける
    特定技能への移行条件
    特定技能1号
    技能実習を3年経験した技能実習生は、業種によって無試験で特定技能1号として就労することができます。
    特定技能2号
    建設業と造船・舶用工業については、特定技能終了後、業種別に指定される技能試験に合格すれば、特定技能2号として事実上日本での永住が可能になります。(家族を本国から呼び寄せることも可能になります。)
    通常の受け入れ
    実習実施者・監理団体が共に優良の場合

優良な実習実施者になる要件

150点満点の6割以上で優良な実習実施者となります。

           
技能等の修得等に係る実績 配点 最大70点
Ⅰ 過去3技能実習事業年度の基礎級(初級)程度の技能検定等の学科試験及び実技試験の合格率(旧制度の基礎2級程度の合格率を含む) 95%以上:20点
80%以上95%未満:10点
75%以上80%未満:0点
75%未満:-20点
Ⅱ 過去3技能実習事業年度の2・3級(上級又は専門級)程度の技能検定等
の実技試験の合格率 【計算方法】

分母:新制度の技能実習生の2号・3号修了者数-うちやむを得ない不受検者数   +旧技能実習生の受検者数

分子:(3級合格者数+2級合格者数×1.5)×1.2

80%以上:40点
70%以上80%未満:30点
60%以上70%未満:20点
50%以上60%未満:0点
50%未満:-40点
* 上記の計算式の分母の算入対象となる技能実習生がいない場合は
過去3技能実習事業年度には2号未修了であった者の申請日時点の3級程度の
技能検定等の実技試験の合格実績に応じて、右欄のとおり加点する。
合格者3人以上:20点
合格者2人:10点
合格者1人:5点
Ⅲ 直近過去3年間の2・3級程度の技能検定等の学科試験の合格実績
  *2級、3級で分けず、合格人数の合計で評価
合格者2人以上:5点
合格者1人以上:3点
Ⅳ 技能検定等の実施への協力
*技能検定委員(技能検定における学科試験及び実技試験の問題の作成、採点、実施要領の作成や検定試験会場での指導監督などを職務として行う者)又は技能実習評価試験において技能検定委員に相当する者を社員等の中から輩出している場合や、実技試験の実施に必要とされる機材・設備等の賃与等を行っている場合を想定
協力有:5点
技能実習を行わせる体制 配点 最大10点(介護15点)
Ⅰ 直近過去3年以内の技能実習指導員の講習受講歴 全員有:5点
Ⅱ 直近過去3年以内の生活指導員の講習受講歴 全員有:5点
Ⅲ 直近過去3年以内の介護職種の技能実習指導員講習の受講歴 全員有:5点
技能実習生の待遇 配点 最大10点
Ⅰ 第1号技能実習生の賃金(基本給)のうち最低のものと最低賃金の比較 115%以上:5点
105%以上115%未満:3点
Ⅱ 技能実習生の賃金に係る技能実習の各段階ごとの昇給率 5%以上:5点
3%以上5%未満:3点
Ⅲ 技能実習生の住環境の向上に向けた取組 有:5点
法令違反・問題の発生状況 配点 最大5点
Ⅰ 過去3年以内に改善命令を受けたことがあること 改善未実施:-50点
改善実施:-30点
Ⅱ 過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合が低いこと ゼロ:5点
10%未満又は1人以下:0点
20%未満又は2人以下:-5点
20%以上又は3人以上:-10点
Ⅲ 過去3年以内に責めによるべき失踪があること 該当:-50点
相談・支援体制 配点 最大45点
Ⅰ 母国語相談・支援の実施方法・手順を定めるマニュアル等を策定し、関係職員に周知していること 有:5点
Ⅱ 受け入れた技能実習生について、全ての母国語で相談できる相談員を確保していること 有:5点
Ⅲ 過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるために当該技能実習生の受入れを行ったこと 基本人数枠以上の受入:25点
基本人数枠未満の受入:15点
Ⅳ 技能実習の継続が困難となった技能実習生(他の監理団体傘下の実習実施者で技能実習を行っていた者に限る。)に引き続き技能実習を行う機会を与えるため、実習先変更支援サイトに監理団体を通じて受入れ可能人数の登録を行っていること 有:10点
地域社会との共生 配点 最大10点
Ⅰ 受け入れた実習生に対し、日本語の教育の支援を行っていること 有:4点
Ⅱ 地域社会との交流を行う機会をアレンジしていること 有:3点
Ⅲ 日本の文化を学ぶ機会をアレンジしていること 有:3点

優良要件定期号申告書の提出

受け入れ人数枠の拡大または実習期間の延長をの拡充措置を希望する場合、外国人技能実習帰国(OTIT)への技能実習計画の認定申請の際に、「優良要件適合申告書」の提出が必要です。
拡充措置をご希望の組合員様は、当組合までお問い合わせください。

参考:優良監理団体とは

実習実施者と同様に、監理団体にも優良基準があります。優良な実習実施者への拡充措置を適用させるには、監理団体も優良な監理団体である必要があります。詳しくは下記よりご確認ください。