技能実習での監理団体の役割

技能実習における監理団体の役割をわかりやすく解説します。監査の重要性や実地検査の内容、違法や不正行為について例を挙げて説明します。また、受入企業様のよくある思い違いなどもご紹介いたします。

21世紀マンパワー事業協同組合の役割とは?

弊組合は技能実習生の監理団体として面接前から実習生が3年の任期を終え帰国するまでの間、実習生が安心して技能実習が行えるよう、また実習実施者様が不安なく実習生を迎え入れられるようサポートいたします。

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監理団体の役割とは

  • 3ヶ月に1回実習実施者へ監査実施
  • 1ヶ月に1回実習実施者へ(監査含む)巡回訪問
  • 技能計画認定申請書類の作成
  • 入国直後に1ヶ月の入国後講習(日本語、日本での生活一般に関する知識、入管法、労働基準方等技能実習生の法的保護に必要な情報)
  • 実習実施者に対する実習生入国前から帰国までのサポート
    (実習生受け入れに関するご相談、申請書類作成サポート)
  • 技能実習生を保護、支援する相談体制として、母国語スタッフの配置
    (ミャンマー、ベトナム)
  • 技能検定や資格試験の教育支援
  • 日本語能力向上の教育支援
  • 実習実施者と技能実習生の橋渡し

監査の重要性について

平成29年11月1日、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律が施行されました。
技能実習の適正な実施と技能実習生の保護を目的とするもので、実習実施者は、技能実習を行わせる環境の整備に努めることが責務となり、監理団体は、監理事業の許可を得て実習実施者に対する技能実習の実施監理を行うこととなりました。違法または不当な条件で働かされる実習生の発生を防止するため、実習生保護の観点からコンプライアンス遵守の厳格化が進められました。

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外国人技能実習機構の実地監査について

外国人技能機構は実習実施者(受け入れ企業)に対して3年に1度、監査に入ります。機構の職員が申請内容の事実確認や実習の状況について検査を行います。

  1. 報告の徴収
  2. 帳簿書類の提出もしくは提示の命令
  3. 出頭の命令
  4. 質問または立ち入り検査

この時、機構による調査等で違反があった場合、以下の権限を持っています。

改善命令
技能実習法、出入国または労働に関する法令等に違反していることが判明した場合
技能実習計画の許可・認定の取り消し
計画認定に従っていない場合
認定基準を満たさなくなった場合
改善命令に違反した場合
入管法令や労働関係法令に違反した場合

この監査で指導や改善命令が出ないように、技能実習の適切な実施状況を監理、指導することが監理団体の役割です。

監理団体の監査とは

監理団体は3ヶ月に1回以上の頻度で実習実施者(受け入れ企業様)に対して行います。原則として以下の事項を行います。

  1. 技能実習の実施状況を実地に確認すること
  2. 技能実習責任者及び技能実習指導員から報告を受けること
  3. 技能実習生の4分の1以上と面談すること
  4. 実習実施者の事業所の設備、帳簿書類等を閲覧すること
  5. 技能実習生の宿泊施設等の生活環境を確認すること

状況確認の際に改善点があれば、適正な制度技能実習の実施が行われるよう、監理団体が実習実施者に指導・助言を行います。監査の結果は、外国人技能実習機構に報告をします。

監査項目及び内容

  • 技能実習制度上問題がないか
    • 技能実習計画に従って技能実習が行われているか
    • 職種や時間配分の齟齬はないか
    • 日誌・管理簿は適正に作成されているか
  • 労働関係法令上問題がないか
    • 労働基準法違反がないか
    • 36協定の確認、労働時間は適正化・賃金の未払いは無いか
    • 控除項目に間違いは無いか
    • 有給休暇の付与は適正か
    • 健康保険、厚生年金に加入しているか
    • 労働安全衛生法に則って適時に健康診断が実施されているか
    • 備え付けるべき書類が保管されているか
  • 技能実習生の待遇に問題はないか
    • 暴力や暴言はないか
    • 宿泊施設は適正か、実習実施場所の環境は適切か
    • 実習実施場所(職場)の環境に問題がないか

実習生と面談の際には実習計画が確実に履行されているかを確認するとともに、仕事・生活両面において、不平不満や相談事などがないかヒアリングを行うことも、監理団体の役割のひとつです。

違法、不正行為について

重大な違法または不正行為を行った場合、認定取り消しや一定期間の受け入れ停止、名前の公表などの行政処分を受ける他、場合によっては罰金や懲役などの行政罰の対象となります。また、違法行為を行った者が使用人(従業員)であった場合でも法人(企業責任者)に対しても罰則が科される両罰規定が適用される場合があるので注意が必要です。

両罰規定とは
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、罰則等の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、罰金刑を科すること

技能実習適正化法により両罰規定が適用される(罰金・懲役刑あり)違法行為の例

違法行為 罰則
暴行・脅迫・監禁等による技能実習の強制 1年以上10年以下の懲役又は200万円以上300万円以下の罰金
技能実習に係る契約の不履行についての違約金の定め等をすること 6ヶ月以下の懲役又は30万円以上の罰金
技能実習生の意思に反して技能実習生の旅券 又は在留カードを保管すること
行政からの改善勧告に従わないこと
備え付け書類の保管義務、帳簿類の作成義務違反または虚偽の書類を作成すること 30万円以下の罰金
申請、届出義務違反または虚偽の申請、届出を行うこと

技能実習適正化法により改善勧告、改善指導等の対象となる不正行為の例

不正行為 処分内容
技能実習計画にない作業をさせること(職種違い) 改善勧告または認定取り消しや一定期間の受け入れ停止、名前の公表などの行政処分
実習生の人権を侵害する行為(暴言や差別的発言はもちろん、預金通帳を預かる行為や貯金の積立を強制する行為もこれにあたります)
備え付け書類の不備、帳簿類の不備
職場環境、居住環境に改善が必要と認められる場合
失踪、途中帰国者の頻発

これらの不正行為には一般的に改善勧告がだされますが、責任が重いと認められる場合や改善が期待できないと判断される場合または不正行為が繰り返される場合は行政処分の対象となります。

労務関係法令上の違法、不正行為

不正行為 罰則
賃金の不払い、または雇用契約違反
(時間外労働も含め契約通りの賃金が支払われているか)
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
36協定の未締結、または36協定違反(特別条項を超える時間外労働など)
有給休暇の付与、管理義務違反
社会保険、厚生年金への加入義務違反 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
健康診断に実施義務違反 50万円以下の罰金

これらは努力義務ではなく罰則規定も定められています。
また、これらの違法、不正行為が発覚した場合、監理団体は適正な指導、助言を行うとともに、外国人技能実習機構へ報告する義務があると規定されております。それを怠った場合は監理団体も処罰の対象となります。

受け入れの際に注意するべきポイント

違法、不正行為についての認識不足から、悪意がなかった場合でも違反につながる場合があります。日頃から適正に監査を実施し、企業様に制度についてしっかりと説明を行い、ご理解とご協力をいただくことが大変重要と考えております。企業様が安心して制度を利用することのできるよう、しっかりとサポートして参ります。

企業側のよくある思い違いの一部例

実習計画に沿って(計画通りに)実習を行うという認識不足
実習生にいろいろな仕事を学ばせてあげたいという思いから実習計画とは違う就業場所、仕事をやらせることは不正行為につながります。
実習計画との相違による労働基準法違反
手取り額を少しでも増やしてあげようという思いから、残業や休日出勤などの時間外労働等が多くなることは労働基準法違反になります。
就業規則の相違
実習生は特別という認識から、日本人と違う待遇をとることは違反につながります。同じ従業員なので、技能実習生も日本人と同じ就業規則が当てはまります。