技能実習制度で実習実施者の役割とは
技能実習生の実習実施者はどんな役割があるの?受け入れるために何を準備しておけばいいの?そんな疑問にお答えします。気持ちよく実習が行えるために、留意していただきたい点や必要な書類、社会保険などをご案内したページです。
技能実習生受け入れ時にご提出いただく主な書類
実習実施者と実習生の双方が気持ちよく実習が行えるよう、実習実施者には書類を多く提出いただいたり、配属後も日誌を書いていただいたりする業務があります。ご協力をお願いいたします。
※外国人技能実習機構の審査の過程でその他の書類の提出を依頼する可能性があります。
申込 | ※全ての書類が揃った時点で受付とさせて頂きます。
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面接時 |
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申請 | ※面接後1か月以内に準備下さい。書類が全て整った後の申請となります。
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職種による追加資料 | |
介護職種 |
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自動車整備職種 |
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ビルクリーニング職種 |
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そう菜製造職種 |
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技能実習生受け入れ時にご準備いただくこと
寮・社宅の用意
実習生が暮らす宿泊施設を受け入れ企業名義でご用意していただきます。
- 部屋の広さ
- 原則「1部屋につき2名以下」かつ「1人当たりの寝室床面積は4.5平方メートル(3帖以上)」
- LDKなど共有部分は生活導線から区切られる場合に限り、寝室として利用可
- 寮費及び光熱費について
- 借り上げの場合、敷金礼金などの初期費用は受け入れ企業負担
- 寮費・光熱費ともに実費を超えた控除は不可
- 共同生活のため、電力会社から等からの請求先を会社とし、請求額を当該寮または社宅に住んでいる実習生人数で割って控除する
- 住宅設備について
- 消火設備を設備すること
- 寝室を2階以上に設ける場合は避難階段等を設けること
家電・生活用品の用意
実習実施者様には実習生が生活するにあたって最低限の家電(洗濯機、冷蔵庫等)やキッチン用品(鍋等)のご用意をお願いしています。購入していただくか従業員の方から使っていない中古品を提供していただくなどしてご用意いただきます。
家電品 |
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炊事用品 |
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寝具 生活用品 |
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掃除道具 |
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そのほか |
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※1自治体によって自転車保険の加入が義務となります。JITCO保険にて一部対応可能ですが、別途加入を推奨します
※2Wi-Fi環境について
実習生がサポートデスク(送り出し機関)、組合担当者、家族と連絡を取り合うために、Wi-Fiが使用できる環境をご用意ください。できるだけ上限なしの契約をお願いします。
- 配属日には、約1週間分の食料品(米、肉、野菜、調味料など)をご準備下さい。
- 消耗品については、受け入れ時のみ企業様にてご負担ください。
- 冷蔵庫は大きめのものをお願いします。(実習生は各自で調理を行うため)
冷蔵庫容量の目安
70L×人数+常備品100L+予備70L 程度
3名だと350L~400Lが理想
通信環境の整備
技能実習生が母国にいる家族や時間外に監理団体や実習実施者様と連絡が取れるよう通信環境の整備をお願いしています。容量無制限のWifi環境を技能実習生に提供することをおすすめいたします。(月のWifi使用料は実習生から徴収可能です)
実習生が加入するべき保険
外国人技能実習生を受け入れるにあたり、保険や福利厚生はどこまで適用されるのか簡単にご説明いたします。
技能実習生も日本人を雇用する場合と同じで、労働基準法上の労働者に該当するため、実習実施者の役割として実習生を社会保険や労働保険に加入させなくてはいけません。
雇用保険について
雇用保険は、労働者が失業した場合に生活の安定と就職の促進のために失業給付などを行う、国が運営する保険制度です。労働者を雇用する事業所は雇用保険の適用事業所になります。実習実施者が負担する分もありますが、実習生の毎月の給与から控除されます。
労災保険について
労災保険は、業務災害や通勤災害に対して、労働者本人やその遺族のために必要な給付などを行うことを目的とした、国が運営する保険制度です。労働者を雇用するすべての事業所に適用されます。技能実習生は、配属後から労働基準法上の労働者に該当し、労災保険の対象になります。
国民健康保険と健康保険について
国民健康保険は、病気やけが、出産、死亡などに関して必要な給付を行う、強制適用の医療制度です。
技能実習生は入国後1か月間の講習期間中は国民健康保険に加入し、実習実施者に配属した後に「健康保険」に切り替えをしていただきます。講習期間中の国民健康保険は実習生が支払います。(2000円程度)配属後の健康保険料は毎月徴収され、保険料は実習生と実習実施者それぞれに負担があり、実習生負担分は毎月の給与から控除します。
国民年金と厚生年金について
国民年金は、老齢や障害、死亡に際し、必要な給付を行う制度です。日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が対象であり、20歳以上の技能実習生も例外ではありません。入国後講習期間中は収入が無い為、国民年金の免除申請ができます。
実習実施者へ配属後、厚生年金支払いの義務が生じます。厚生年金の毎月の保険料は、技能実習生と実習実施者どちらも負担します。実習生負担分は毎月の給与から控除します。技能実習生などの外国人は、
- 厚生年金保険料を6ヶ月以上納付している
- 日本に住所を有していない
- 出国から2年以内
外国人技能実習生総合保険について
外国人技能実習生総合保険は、法務省の「技能実習生の入国・在国管理に関する指針」を受け、公的保険を補完する目的で設けられた民間(株式会社国際研修サービス)の傷害保険です。技能実習生の入国から帰国までの全期間をカバーします。
補償対象期間
補償範囲
保険金額・保険料について
外国人技能実習生総合保険の加入費用を実習実施者様にご負担いただいております。(1名当たり24,720円)
弊組合ではタイプAに加入していますが、保障を手厚くしたい場合は別途対応いたしますのでご相談下さい。
保険金額 | 保険料 | |||||||
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傷害 | 疾病 | 賠償責任 | 救援者費用 | 治療費用100% 補償期間 |
滞在期間 →12ヵ月 保険期間 →13ヶ月 |
滞在期間 →36ヵ月 保険期間 →37ヵ月 |
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死亡・後遺障害 | 治療費用 | 死亡 | 治療費用 | |||||
700万円 | 100万円 | 700万円 | 100万円 | 3,000万円 | 200万円 | 15日 | 10,720円 | 23,900円 |
1ヶ月 | 11,130円 | 24,320円 | ||||||
2ヶ月 | 11,610円 | 24,720円 |
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補償内容について
日常生活上の怪我や病気で病院にかかった際に発生した費用が全額戻ってきます。(ただし自費負担の治療は全額返金ではない可能性があります)
※就業中の怪我に関しては労災扱いになりますのでご注意ください。
保険金支払い対象
責任期間中の急激かつ偶然な外来の事故によるけがや病気の発病を補償します。
- 傷害治療費用保険金
- 事故日からその日を含めて180日以内に要した費用
- 疾病治療費用保険金
- 最初の治療日を含めて180日以内に要した費用
- 死亡・後遺障害保険金
- 事故日からその日含めて180日以内に死亡した場合もしくは後遺障害が生じた場合
- 疾病死亡保険金
- 賠償責任保険金
- 過って他人の物を壊したり、他人をケガさせて法律上の損害賠償責任を負担した場合 ※職務遂行に基づく損害賠償や実習生の居室に与えた損害に対する損害賠償を除きます
- 救援者費用等保険
- 病気またはケガにより死亡したり、危篤状態となったときに、現地からの親族等の渡航費用等をお支払いします
保険金支払い対象外
いずれの傷病も死亡・危篤状態になった場合は、救援者費用等保険金のお支払いの対象となります
- 妊娠、出産、流産、早産及びこれらに起因する病気
- 歯科疾病 ※ケガによる歯科治療を除く
- 業務上・通勤上の傷病 ※治療費用100%補償期間終了後
技能実習生の税金
技能実習生は日本人同様、給与から税金が控除されます。これは日本に居住していて、かつ所得のある人が払わないといけない税金です。
- 所得税
- 毎月賃金の支払い額に応じた税額が賃金から控除されます。また、扶養の手続きをすることで、税額を軽減することができます。
扶養手続きの際に必要な書類 | 実習生の戸籍謄本・実習生の戸籍謄本を日本語訳した書類・現地に住む扶養家族への送金証明 |
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- 住民税
- 住民税は前年の所得により確定するため、1号技能実習時は発生しません。2号時から、確定した住民税を12回に分けて毎月の給与より控除します。帰国時には全ての税金を支払う必要があるので、残りの住民税を一括で支払う手続きをします。未納があれば、再入国ができない可能性があります。