特定技能制度とは
外国人の在留資格「特定技能」とは、どのような人材が対象なのか、わかりやすく解説します。採用可能な職種(特定産業分野)や、どのような人材が対象になるのか、また、受け入れ機関の条件などをご紹介します。
在留資格「特定技能」について
特定技能は技能実習の上位資格にあたり、特定産業分野に属する相当程度の技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。
就労が認められる在留資格の技能水準
特定技能1号
- 在留期間
- 1年、6ヶ月、又は4ヶ月ごとの更新、通年で上限5年まで
- 技能水準
- 試験等で確認※
- 日本語能力
- 生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認※
- 家族の帯同
- 基本的に認めない
- 受入機関または登録支援機関による支援の対象
特定技能2号
- 在留期間
- 3年、1年、又は6カ月ごとの更新
- 技能水準
- 試験等で確認
- 日本語能力
- 試験等での確認なし
- 家族の帯同
- 要件を満たせば可能(配偶者、子)
- 受入機関または登録支援機関による支援の対象
特定技能で受け入れ可能な職種
特定産業分野とは
現在、特定技能で受け入れが可能な職種は、特定産業分野という名称で定められています。
現在では以下の16分野において、特定技能での受け入れが可能となっています。
介護
ビルクリーニング
素形材産業
産業機械製造業
電気・電子情報関連産業
建設
造船・舶用工事
自動車整備
自動車運送
鉄道
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
林業
木材産業
建設、造船造船・舶用工事のみ特定技能2号での受け入れが可能
特定産業分野の詳細
当組合で受け入れ可能な分野の詳細です。
介護分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 自治体が発行する指定通知書があること
- 事業所単位での受け入れ
- 技能実習の職種
- 介護
- 従事する作業
- 身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)
- 関連作業
- レクレーション、機能回復訓練の補助等
- 対象外の施設
- 訪問系サービス
- 人数制限
- 常勤介護職員の総数まで受入可能
- 管轄
- 厚生労働省
- 協議・連絡会
- 介護分野における特定技能協議会
- 試験、実施団体など
- 介護技能評価試験・介護日本語評価試験
ビルクリーニング分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 都道府県知事より「建築物清掃業登録証明書」または「建築物環境衛生総合管理業の登録登録証明書」を受けていること
- 技能実習の職種
- ビルクリーニング
- 従事する作業
- 建築物内部の清掃
- その他要件
- 建築物における衛生確保に関する法律第12条の2第1項第1号に規定する事業または第8号に規定する事業登録を受けていること
- 人数制限
- なし
- 管轄
- 厚生労働省
- 協議・連絡会
- ビルクリーニング分野特定技能協議会
- 試験、実施団体など
- ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
素形材産業分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 2194 鋳型製造業
- 225 鉄素形材製造業
- 235 日鉄金属素形材製造業
- 2424 作業工具製造業
- 2431 配管工事用付属品製造
- 245 金属素形材製品製造
- 2465 金属熱処理業
- 2534 工業窯炉製造業
- 2592 弁同付属品製造業
- 2651 鋳造装置製造業
- 2691 金属用金型、同部品、付属品製造
- 2692 非金属用金型・同部品・付属品製造
- 2929 その他の産業用電気機械器具製造業
- 3295 工業用模型製造業
- 技能実習の職種
- 鋳造
- 鍛造
- ダイカスト
- 機械加工
- 金属プレス加工
- 工場板金
- めっき
- アルミニウム陽極酸化処理
- 仕上げ
- 機械検査
- 機会保全
- 塗装
- 溶接
- 従事する作業
- 鋳造
- 鍛造
- ダイカスト
- 機械加工
- 金属プレス加工
- 工場板金
- めっき
- アルミニウム陽極酸化処理
- 仕上げ
- 機械検査
- 機会保全
- 塗装
- 溶接
- 13試験区分
- 関連作業
- 原材料・部品の調達搬送作業
- 各職種の前後工程作業
- クレーン、フォークリフト等運転作業
- 清掃・保守監理
- 人数制限
- なし
- 管轄
- 経済産業省
- 協議・連絡会
- 製造業特定技能外国人材受け入れ協議・連絡会
- 試験、実施団体など
- 製造分野特定技能1号評価試験
産業機械製造業分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 2422 機械刃物製造業
- 248 ボルト・ナット・小ねじ・木ねじ製造業
- 25 はん用機械器具製造業
- 26 生産用機械器具製造業
- 270 管理、補助的な経済活動を行う事業所(27業務用機械器具製造業)
- 271 事務用機械器具製造業
- 272 サービス業・娯楽用機械器具製造業
- 273 計量器・測定器・分析機器・試験機・測量機械器具・理化学機械器具製造業
- 275 光学機械器具、レンズ製造業
- 技能実習の職種
- 鋳造
- 鍛造
- ダイカスト
- 機械加工
- 金属プレス加工
- 鉄工
- 工場板金
- めっき
- 仕上げ
- 機械検査
- 機会保全
- 電子機器組立て
- 電気機器組立て
- プリント配線板製造
- プラスチック成形
- 塗装
- 溶接
- 工業包装
- 従事する作業
- 鋳造
- 鍛造
- ダイカスト
- 機械加工
- 塗装
- 鉄鋼
- 金属プレス加工
- 工場板金
- めっき
- アルミニウム陽極酸化処理
- 仕上げ
- 機械検査
- 機会保全
- 工業包装
- 電子機器組立て
- 電気機器組立て
- プリント配線板製造
- プラスチック成形
- 溶接
- 18試験区分
- 関連作業
- 原材料・部品の調達搬送作業
- 各職種の前後工程作業
- クレーン、フォークリフト等運転作業
- 清掃・保守監理
- 人数制限
- なし
- 管轄
- 経済産業省
- 協議・連絡会
- 製造業特定技能外国人材受け入れ協議・連絡会
- 試験、実施団体など
- 製造分野特定技能1号評価試験
電気・電子情報関連作業分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
- 29 電子機械器具製造業
- 30 情報通信機械器具製造業
- 技能実習の職種
- 機械加工
- 金属プレス加工
- 工場板金
- めっき
- アルミニウム陽極酸化処理
- 仕上げ
- 機会保全
- 電子機器組立て
- 電気機器組立て
- プリント配線板製造
- プラスチック成形
- 塗装
- 溶接
- 工業包装
- 従事する作業
- 機械加工
- 金属プレス加工
- 工場板金
- めっき
- 仕上げ
- 機会保全
- 電子機器組立て
- 電気機器組立て
- プリント配線板製造
- プラスチック成形
- 塗装
- 溶接
- 工業包装
- 13試験区分
- 関連作業
- 原材料・部品の調達搬送作業
- 各職種の前後工程作業
- クレーン、フォークリフト等運転作業
- 清掃・保守監理
- 人数制限
- なし
- 管轄
- 経済産業省
- 協議・連絡会
- 製造業特定技能外国人材受け入れ協議・連絡会
- 試験、実施団体など
- 製造分野特定技能1号評価試験
建設分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 建設業法第3条の許可を取得していることが前提でかつ下記業務内容を行うこと
- 技能実習の職種・作業
- 建設関係 22 職種 3 3 作業
- 鉄工職種 構造物鉄工作業
- 塗装職種 建築塗装作業、鋼橋塗装作業
- 溶接職種 手溶接作業、半自動溶接作業
- 業務区分【土木】
- 型枠施工
- コンクリート圧送
- 建設機械施工
- 土工
- 鉄筋施工
- とび
- 業務区分【建築】
- 型枠施工
- 左官
- コンクリート圧送
- 屋根ふき
- 土工
- 鉄筋施工
- 鉄筋継手
- 内装仕上げ
- 表装
- とび
- 建築大工
- 建築板金
- 吹付ウレタン断熱
- 業務区分【ライフライン・設備】
- 電気通信
- 配管
- 建築板金
- 保温保冷
- その他要件
- 建設キャリアアップシステムへの登録が必要
- 出入国管理局に申請する前に建設特定技能受入計画について国交省の認定を受けること
- 人数制限
- 特定技能+特定活動の合計が常勤数を超えない
- 管轄
- 国土交通省
- 協議・連絡会
- 建設技能人材機構特定技能外国人受入事業実施法人
- 試験、実施団体など
- 建設分野特定技能1号評価試験
自動車整備分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 地方運輸局長から認証を受けた自動車分解整備事業場であって、対象とする装置の種類が限定されている事業場や二輪自動車のみでも可
- 技能実習の職種
- 自動車整備
- 従事する作業
- 日常点検整備
- 定期点検整備
- 分解整備
- 関連作業
- 車枠車体の整備調整作業
- その他要件
- 道路運送車両法に規定される従業員に対する整備士の要件が課されます (特定技能外国人は、整備士としてカウントできません)
- 技能実習生の受入れも行っている場合、従業員数には技能実習生+特定技能+その他日本 人の従業員がカウントされます
- 人数制限
- なし
- 管轄
- 国土交通省
- 協議・連絡会
- 自動車整備分野特定技能協議会
- 試験、実施団体など
- 自動車整備分野特定技能協議会特定技能評価試験
航空分野
- 技能実習の職種
- 空港グランドハンドリング
- 従事する作業
- 空港グランドハンドリング(地上走行支援業務・手荷物・貨物取扱業務等)
- 航空機整備(機体,装備品等の整備業務等)
- 関連作業
- 事務作業
- 作業場所の整理整頓や清掃
- 積雪時における作業場所の除雪
- その他要件
- 道路運送車両法に規定される従業員に対する整備士の要件が課されます (特定技能外国人は、整備士としてカウントできません)
- 技能実習生の受入れも行っている場合、従業員数には技能実習生+特定技能+その他日本 人の従業員がカウントされます
- 人数制限
- なし
- 管轄
- 国土交通省
- 協議・連絡会
- 航空分野特定技能協議会
- 試験、実施団体など
- 航空分野技能評価試験
宿泊分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 旅館業許可証(旅館・ホテル営業許可書)を取得していること
- 751 旅館、ホテル
- 759 その他の宿泊業
- 従事する作業
- 宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務
- 関連作業
- 旅館・ホテルの施設内の土産物等売店における販売業務
- 旅館・ホテルの施設内の備品の点検・交換業務
- その他要件
- 道路運送車両法に規定される従業員に対する整備士の要件が課されます (特定技能外国人は、整備士としてカウントできません)
- 技能実習生の受入れも行っている場合、従業員数には技能実習生+特定技能+その他日本 人の従業員がカウントされます
- 対象外の施設
- 簡易宿所営業・下宿営業は対象外
- 人数制限
- なし
- 管轄
- 国土交通省
- 協議・連絡会
- 宿泊分野のおける外国人材受入協議会
- 試験、実施団体など
- 宿泊業技能測定試験
飲食料品製造業分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 製造、加工、安全衛生
- 09 食料品製造業
- 101 清涼飲料製造業
- 103 茶・コーヒー製造
- 104 製氷業
- 5861 菓子小売業
- 5863 パン小売業
- 5897 豆腐、かまぼこ等食品小売り
- 技能実習の職種
- 缶詰巻締
- 食鳥処理加工
- 加熱性水産加工食品製造
- 非加熱性水産加工食品製造
- 水産練り製品製造
- 牛豚食肉処理加工
- ハムソーゼージ・ベーコン製造
- パン製造
- 総菜製造
- 農産物漬物製造
- 従事する作業
- 飲食料品税造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)
- 関連作業
- 原料の調達
- 製品の納品
- 清掃
- 事業所管理
- 人数制限
- なし
- 管轄
- 農林水産省
- 協議・連絡会
- 食品産業特定技能協議会
- 試験、実施団体など
- 飲食料品製造業技能測定試験
外食産業(飲食店・配達)分野
- 受入機関に対して特に課す条件
- 日本標準産業分類上「飲食店」「持ち帰り、配達飲食サービス」に分類される事業者
- 技能実習の職種
- 医療・福祉施設給食製造
- 従事する作業
- 飲食物調理
- 接客
- 店舗管理
- 関連作業
- 原料の調達
- 配送
- 対象外の施設
- 接待飲食営業
- 人数制限
- なし
- 管轄
- 農林水産省
- 協議・連絡会
- 食品産業特定技能協議会
- 試験、実施団体など
- 外食業特定技能1号技能測定試験
特定技能外国人に関する基準
特定技能1号、特定技能2号に共通の基準
- 18歳以上であること
- 健康状態が良好であること
- 退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること
- 保証金の徴収等をされていないこと
- 外国の機関に費用を支払っている場合は、額・内容を十分に理解して機関との間で合意していること
- 送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は、その手続きを経ていること
- 食費、居住費等外国人が定期的に負担する費用について、その対価として供与される利益の内容を十分に理解した上で合意しており、かつ、その費用の額が実費相当額その他の適正な額であり、明細書その他の書面が提示されること
特定技能1号のみの基準
- 必要な技能及び日本語能力を有していることが、試験その他評価方法により証明されていること。(ただし技能実習2号を良好に修了しているものであり、かつ、技能実習において修得した技能が従事しようとする業務において要する技能と関連性があると認められる場合はこれに該当する必要がない)
- 特定技能1号での在留期間が通年して5年に達していないこと
特定技能2号のみの基準
- 必要な技能を有していることが、試験その他の評価方法により証明されていること
- 技能実習生の場合は、技能の本国への移転に努めるものと認められていること
受け入れ機関とは
受け入れ機関とは特定技能外国人を雇用する機関のことです。
特定技能外国人の受け入れ機関になるには下記の基準を満たす必要があります。
受け入れ機関が満たすべき基準
- 労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
- 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
- 1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
- 欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと
- 特定技能外国人の活動内容にかかわる文書を作成し、雇用期間終了日から1年以上備えておくこと
- 外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入機関が認識して雇用契約を締結していないこと
- 受け入れ機関が違約金を定める契約等を結んでいないこと
- 支援に要する費用を直接又は間接に外国人に負担させないこと
- 労働者派遣の場合は、派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで、適当と認められるものであるほか、派遣先が➀~④の基準に適合すること
- 労働保険関係の成立の届出等の措置を講じていること
- 雇用契約を継続して履行する体制が適正に整備されていること
- 報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
- 分野に特有の基準に適合すること(※分野所轄省庁の定める告示で規定)
受け入れ機関の義務
- 外国人と結んだ雇用契約を確実に履行
- 外国人への支援を適切に実施(支援については登録支援機関に委託可能)
支援計画とは
受入機関は、1号特定技能外国人に対して活動を安全かつ円滑に行うことが出来るようにするための就業生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画を作成し、当該計画に基づき支援を行う必要があります。
支援計画の主な記載事項
- 職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援として必要であるとして省令で定められた10項目(下記参照)の実施内容・方法等
- 支援責任者及び支援担当者の氏名及び役職名
- 支援の実施を契約により他の者に委託する場合の氏名及び住所等
- 登録支援機関情報(登録支援機関に委託する場合)
支援計画実施の登録支援機関への委託
- 受入機関は支援計画の一部または全部の実施を他の者に委託できる(支援委託契約を締結)
- 受入機関は支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合には外国人を支援する体制があるものとされる。
支援計画の一部実施と全部実施の違いについて
一部実施:下記10項目の支援内容のうちどれかを支援する場合
全部支援:➀~⑩すべてを支援する場合。
支援計画の内容
① 事前ガイダンス
- 雇用契約締結後、在留資格認定証明書交付申請前または在留資格変更許可申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等について、対面・テレビ電話等で説明
② 出入国する際の送迎
- 入国時に空港等と事業所または住居への送迎
- 帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行
③ 住居確保・生活に必要な契約支援
- 連帯保証人になる・社宅を提供する等
- 銀行口座等の開設・携帯電話やライフラインの契約等を案内・各手続の補助
④ 生活オリエンテーション
- 円滑に社会生活を営めるよう日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対応等の説明
⑤ 公的手続等への同行
- 必要に応じ住居地・社会保障・税などの手続の同行、書類作成の補助
⑥ 日本語学習の機会の提供
- 日本語教室等の入学案内、日本語学習教材の情報提供等
⑦ 相談・苦情への対応
- 職場や生活上の相談・苦情等について、外国人が十分に理解することができる言語での対応、内容に応じた必要な助言、指導等
⑧ 日本人との交流促進
- 自治会等の地域住民との交流の場や、地域のお祭りなどの行事の案内や、参加の補助等
⑨ 転職支援(人員整理等の場合)
- 受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや、推薦状の作成等に加え、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供
⑩ 定期的な面談・行政機関への通報
- 支援責任者等が外国人及びその上司等と定期的(3か月に1回以上)に面談し,労働基準法違反等があれば通報
特定技能外国人受け入れに係わる機関
登録支援機関とは
登録支援機関とは受入機関との支援委託契約により、支援計画に基づく支援の全部の実施を行う機関です。
登録支援機関になるためには出入国管理庁長官の登録を受ける必要があります。