介護技能実習生の教育について

21世紀マンパワー事業協同組合では、特に介護職種の技能実習生の受け入れに力を入れています。現地での事前教育が充実している送り出し機関「ミャンマー・ユニティ」と提携を行うことで、日本語能力および日本文化への理解度が高く、また実技の教育が行き届いた実習生の受け入れを可能としています。こちらでは提携送り出し機関「ミャンマー・ユニティ」での事前教育についてご紹介します。

充実した事前教育

日本語学校

技能実習生は日本企業への内定が決まったらミャンマー・ユニティ運営「UJLAC日本語学校」にて日本語や日本の文化・生活習慣について学びます。

日本語だけでなく、文化や生活習慣などを学ぶことで、入国後のカルチャーショックを最低限にとどめ、出来るだけ早く日本での生活に馴染めるようにする目的があります。

もちろん、日本語教育も徹底されており、特に介護職種の技能実習生は、他の職種と比較して高い日本語能力が求められるため、他の職種の2倍の時間を掛けて教育を行います。

「UJLAC日本語学校」の特長

  • 10カ月間で合計1400時間の日本語教育
  • N3レベルを目標に学習
  • 日本人講師による会話に重点を置いた指導
  • 高齢者を意識したコミュニケーションスキルの構築
  • 日本の生活習慣・文化の指導
  • 5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の指導
  • 未来の人生設計等の指導
  • 様々な試験の実施でモチベーション維持
  • 1クラス最大15人の少人数制度
技能実習生の集合写真
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送出し機関による入国前教育

介護技能教育

介護職種の技能実習生は「UJLAC日本語学校」での教育終了後、同じくミャンマー・ユニティ運営「UKWTC介護学校」にて1か月間(24日・168時間)介護技能の集中講義を受け、介護技能実習制度における前職要件を満たします。

介護教育カリキュラム

介護職員としての心構え8H(座学・体験学習)

介護職員の概要
介護職員の仕事内容や介護職員として大切なこと・心構えを学ぶ。施設での1日の流れや勤務体系について理解するとともに、多職種連携や信頼関係の構築、時間厳守、報告連絡相談(報・連・相)、身だしなみ等、社会人としての在り方について学ぶ。
高齢者体験
高齢者の身体はどのような状態なのかを体験する。重りやアイマスク・耳栓などを用いて、「見えにくい」「聞こえにくい」「指が曲がりにくい」「足が上がらない」等の高齢者体験をすることで高齢者について理解を深める。
日本の高齢者施設・サービス
居宅、通所、短期入所、施設サービスについて学ぶ。介護において様々なサービスがあることを理解させる。

介護業務における基礎知識8H(座学)

利用者主体の考え方
利用者が自分らしく尊厳ある暮らしができるよう、利用者主体の考え方を身に付ける。尊厳の保持、自立支援、介護予防について、QOL(Quality of Life)やADL(Activities of Daily Living)といった概念とともに学ぶ。
プライバシーの保護・ICF
利用者のプライバシー保護、秘密保持、またICF(国際生活機能分類)について考え方を理解させる。
日本の介護保険
介護保険制度の説明や、その他日本にある様々な保険制度について紹介する。

身体のしくみ8H(座学)

身体と老化の関係
人間はどのように老化していくのか、老化によって身体や心はどのように変化するのか理解する。身体のしくみ(内臓等)を知り、高齢者に多い疾病について理解を深めるとともに、病気の早期発見につながる前兆はどのようなものがあるのか学ぶ。
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虐待・感染症・医療行為8H(座学)

虐待に関する知識
虐待には身体的・心理的・性的・経済的・ネグレクト・身体拘束など、様々なタイプがあることを学ぶ。また虐待する人の心理、なぜ虐待が起こるのかを理解する。虐待の予防や虐待されている人が出すサインについて学び、虐待行為を見つけたら報告が必要であることについても理解を深める。
感染症の予防と対策
インフルエンザやノロウイルス等の施設で多い感染症や、A型肝炎、B型肝炎、HIV、白癬、疥癬等の感染症について予防策・対応策を学ぶ。手洗い・うがいやマスク・使い捨て手袋の説明を行い、実際に手洗い・うがいの練習を行う。
介護職員ができる医療行為
バイタルチェックなど、介護職員ができる医療行為について、映像を用いて学ぶ。

認知症・障害10H(座学)

認知症の理解
認知症とは何か・脳の機能について・各種認知症の症状・中核症状とBPSDについて学ぶ。BPSDがある人の心理や対応を事例に出したグループワークも実施。認知症の人の気持ちへの理解を深める。
障害の種類
身体障害(視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・内部障害・重複障害)・精神障害・知的障害について理解し、それぞれのコミュニケーション法およびノーマライゼーションについて学ぶ。
障害受容
障害受容の5段階について学ぶ。

コミュニケーション・事故対応8H(座学)

コミュニケーション法
ハーバルコミュニケーション・ノンハーバルコミュニケーション・SOLER法について理解する。良い例と悪い例を試し、相手に与える影響を考えさせる。
受容・共感・傾聴
コミュニケーションにおける、受容・共感・傾聴という概念について、事例を用いて学ぶ。
事故の予防と対応
事故はどのような場所・時に起こりやすいか、ヒヤリハット事例などを用いて予防と対策について学び、グループワークを行う。
記録・報告書
記録や報告書についてどのような場面で必要になるのか、どのように書けばよいのかを、事例を用いて学ぶ。

身体の動き3H(座学)/174(実技)

ボディメカニクス
ボディメカニクスの8原則と通して人間の身体の動きを学び、自らの身体を守る方法も理解する。
立ち・座りの動作
人間は立ち上がるときどのように動くのか、立ち易い足の位置や姿勢、支え方を学ぶ。
体位交換・移動
仰臥位・側臥位・端座位などの体位交換や、上方移動・水平移動について学ぶ。
ベッドメイキング
シーツ交換やベッドメイキングを行う際の注意点を学ぶ。

移乗3H(座学)/14H(実技)

移乗の方法
ベッドから車いすの移乗や、車いすからベッドやポータブルトイレへの移乗について、一部介助・全介助の方法を学ぶ。
移乗

移動3H(座学)/11H(実技)

車いす
車いすで移動する際の手や腕、足の位置の確認など、車いす移動の注意点を学び、実際に平地・段差・坂道の移動練習を行う。
杖歩行
杖での2点歩行、3点歩行、階段での歩行練習を行う。
白杖歩行
白杖歩行(手引き歩行)について、声かけ・挨拶などのや基本動作から、階段・段差・狭い道・Uターン・溝の越え方の練習を行う。

排泄3H(座学)/14H(実技)

排泄の介助
羞恥心に配慮した、トイレ・ポータブルトイレ介助とおむつ交換の練習を行う。排泄物のチェックと報告の必要性や、陰部洗浄、使い捨て手袋についても理解を深める。
用具の知識
尿器、差し込み便器、ポータブルトイレ、テープ止めおむつ、パッド、リハビリパンツなどの専門用具の使い方について学ぶ。

整容3H(座学)/9H(実技)

衣服の着脱
座位・仰臥位でのパジャマの着脱、仰臥位でのゆかたの着脱など練習する。
身体の整容
洗顔、ひげそり、爪切り、口腔ケアについて学ぶ。口腔ケアは実際にスポンジやガーゼ、ガーグルベースを使用し練習する。

食事3H(座学)/7H(実技)

食事介助の基礎知識
食事の意義や飲み込みについて学ぶ。食事介助における注意点(姿勢、食事の種類、誤嚥、窒息、準備、福祉用具、配膳)についても理解を深める。
介護食の提供
実際に介護食と味噌汁の食事介助を練習する。とろみの感覚の体験や、服薬介助についての説明も行う。

入浴3H(座学)/10H(実技)

入浴介助の基礎知識
入浴の意義と効果や、羞恥心への配慮の仕方、事故の多い入浴介助について学ぶ。
入浴介助の方法
湯船に浸かる習慣のないミャンマー人が理解しやすいよう、実際にお湯に手をつけて適温について学ぶ。また、シャワーのかけ方や、麻痺がある方の介助方法、体や頭の洗い方、ドライヤーの当て方などや、ヒートショックや水分補給についても学ぶ。洗髪、手浴、足浴については、実際にお湯を使って生徒同士で練習する。

修了テスト6H

実際の介護現場を想定してテスト
寝ている利用者を起こしてから車いすへの移乗および移動や、左麻痺のある利用者の食事介助からトイレへの誘導、視覚障害のある利用者の歩行介助など、実際の介護現場を想定して修了テストを行う。

苦手分野の補習とレクリエーション6H

苦手分野の補習
苦手な分野がある生徒は補修を行う。
日本のレクリエーション
日本の歌や踊り、習字、折り紙、日本の季節イベントについて学ぶ。日本地図についても学ぶ。

日本人による日本式の教育

「ミャンマー・ユニティ」では、日本語講師・介護実技講師ともに日本人を中心とした講師陣による教育が実施されています。日本人による日本式の教育を行うことで、細かなニュアンス等のギャップを最小限にとどめ、より実践に近い教養や技術の習得が可能となっています。

また、介護実技講師は介護初任者研修や介護福祉士実務者研修で教鞭を執る、日本人介護福祉士が担当しています。日本語教師養成講座も修了している講師のため、介護実技と介護業務で必要な日本語を同時に指導しています。日本の介護事情に精通した日本人介護福祉士による講習で、技能実習生は実践的な技術と生きた日本語を学ぶことができます。

日本語の授業
介護技能実習

介護技能実習生の配属までの流れ

21世紀マンパワー事業協同組合では、事前教育に力を入れている送り出し機関からのみ技能実習生の受け入れを実施しているため、比較的長い教育期間を要します。介護技能実習生は、面接・内定後、約11か月日本入国前講習にて日本語および介護技能を学び、入国後は当組合管轄による約1か月の入国後講習を行った後、企業様への配属となります。

事前教育

受け入れ企業様の中には、早く技能実習生に来て働いてもらいたいとお考えの企業様がいるかもしれません。しかし、充分な事前教育がされていない技能実習生を受け入れるということは、様々な点でリスクを伴うこととなります。特に介護職種においては、専門的な業務が多く、さらにコミュニケーションも高度な日本語が求められるため、徹底的な事前教育が必要であると考えます。

当組合から介護技能実習生の受け入れを行っていただく企業様には、優秀な実習生を受け入れていただき、安心して技能実習を行っていただきたい。そのような強い思いから、配属までの事前教育に力を入れている送り出し機関と提携しております。