ベトナム人技能実習生ー国民性と国の特徴ー
ベトナム社会主義共和国
ベトナムは南北に細長い1975年に独立した社会主義共和制国家です。経済活動が本格化して40年弱ですが、発展は目覚ましく、今や世界から注目されている経済規模になっています。北部に位置し、首都である「ハノイ」と、南部に位置し商都である「ホーチミン」が中心となる国です。ベトナムは10年で人口が約1,000万人も増加し、若年層の人口が多く若く活気にあふれた国といえます。2018年の実質GDP成長率が7.1%と過去10年間でもっとも高い成長率となっています。しかし、いまだインフラは十分整備されているとは言えないため、今後の発展に期待ができます。現在、日本で技能実習生として在留している外国人はベトナム人が164,499人とダントツで1番多く、過半数を占めています。技能実習制度はベトナムなしでは語れないほどベトナムの存在は大きいものとなっています。
ベトナム人の国民性
日本に近い国柄
日本人もお寺に参拝をするが、仏教徒かと問われれば敬虔な仏教徒ではないと答える人が多いかもしれません。ベトナム人も若い人たちの中には、宗教を聞かれても「特にない。」と答える人がいるほど、熱心な仏教徒はいるもののベトナムは東南アジアでは稀に見る大乗仏教です。ベトナムも年上を敬い、ベトナム企業は縦社会が根強いです。
楽観主義な国民性
おしゃべり好きで、コミュニケーションをとることを好きな傾向があります。楽観的な考え方をするため、完成度より完成したという事実に満足してしまうこともあるかもしれません。その際は、楽観的な考え方を否定したり、日本人の常識を押し付けたりするのではなく、実習実施者様には技能実習生の特徴を知ろうという精神で、仕事上でも積極的にコミュニケーションをとって指導していただければと思います。
指導には注意を
指導する場合、合理的な根拠が必要です。なぜその工程をするのか、理由を一緒に教えることで納得してくれます。怒られ慣れていない人が多いため、急に声を荒げて怒ると自尊心が傷つく可能性があります。自分の失敗やミスを同僚に知られることは日本人より嫌悪感を抱く恐れもあるので、指導の仕方も注意が必要です。
- 4K
ベトナム人の国民性で、よく知られているのが「4K」と言われる言葉です。
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手先が器用
ベトナム人は手先の器用な人が多く存在します。伝統工芸品の刺繍や縫製は、ベトナム人女性の専門職で、ベトナムの発展産業の一つです。また、ベトナム人の足であるバイクの修理も自分たちでやってしまいます。細かい作業が得意な人が多いという特徴があるようです。
向上心・向学心旺盛
ベトナムでは、ダブルスクールや習い事をしている人が多いです。言語スキルを身に着けると、外資系企業に就職でき収入が増えます。ベトナムでは、家族で暮らしている家が多いため、家族を養おうという精神が根強く残っているのが特徴です。また、言われたことは文句を言わず取り組むので、「真面目」と捉えられることが多いのかもしれません。
近視眼的
ベトナムは、歴史の中で植民地支配や戦争を経験してきたこともあり、先の人生を考えるより今日・今のことを考えて優先してしまう傾向があります。中長期的な物事を考えるより、短期的な視点で考えることは決して悪いことではありませんが、計画を立てずに実行してしまうといった事態を引き起こす恐れが考えられます。日本人指導者がきちんと計画を伝えることが大切になります。リスクを考えすぎて、行動力に欠ける日本人にとって、ベトナム人の行動力は見習う点にもなり、考え方を改める機会にもなります。
カカア天下
ベトナム人女性はとても、勤勉で働き者です。ベトナムでの管理職は女性の方が多いほど、女性の社会進出が進んでいる国だと言えます。女性が一家の大黒柱であることも稀ではありません。女性が働くことへの意欲があるため、女性も現場で活躍してくれることでしょう。
ベトナムの基本情報
面積 | 約33万 km2 (0.88倍) |
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人口 | 約9,467万人(2018年) |
宗教 |
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民族構成 | キン族 約86% 他53の少数民族 |
主要な天然資源 |
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地政学的要衝 |
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